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畜産Q&A

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質問

どんなところで牛を飼っているのですか?(肉牛・乳牛 牛舎の種類)

牛はどのような建物の中で飼われているのでしょうか。また地域や時代によって建物の種類や作りに違いがありますか?それともどこの牧場でも、同じような形やつくりの建物ばかりなのでしょうか?

   
   
答え

なぜ牛舎が必要か

人間は建物の中に住むのがふつうですが、牛は建物がなくてもちっとも困らないのです。では、どうして牛を建物の中で飼っているのでしょうか?牛は、人に飼われるようになる以前は、森と草原の境界のようなところで生活していたと思われます。草原で草を充分にお腹に詰め込み、森の木陰でゆっくり反芻をするのが牛本来の生活です。草や潅木が雪に埋もれることがなければ、寒さに強い牛は難なく冬も野外で生きていくことができます。今も北海道には、夏は牛を草地に放牧し、草を自由に食べさせる酪農家もいますが、そのような農家はずいぶん少なくなってしましました。放牧酪農では、乳牛1頭当たり0.5〜1ヘクタールの放牧地が必要だと言われていますが、北海道といえども全ての農家が充分に広い土地を持っているとは限りません。狭い土地で牛をたくさん飼うと、雨水や雪解け水と糞尿が混ざり、その結果水はけが悪くなり、屋外パドックは泥沼化してしまいます。牛を建物の中で飼うようになったのは、狭い土地で多くの牛を飼いたいと考えるようになったためなのです。

 

牛舎のタイプ

乳牛の牛舎は大きく二つのタイプ、「つなぎ飼い牛舎」と「放し飼い牛舎」に分けることが出来ます。つなぎ飼い牛舎では、牛をつなぐ方式として、牛の首を鎖でつなぐタイストール方式と首を二本の棒状の「首かせ」ではさむスタンチョンストールと呼ばれる方式があります。つなぎ飼い牛舎では、牛は場所の移動ができないので、作業者が牛の前に餌を運んだり、糞を掃除したり、ミルカーを一頭ずつの牛のところに運んで搾乳する必要があります。一方、放し飼い牛舎では、牛を群れで飼うことになります。牛が自由に移動できるので、作業者が飼槽に餌を撒くと牛が集まってきて自分で餌を食べ始めます。搾乳も牛をミルキングパーラ(搾乳室)に追い込んで行うためミルカーを運ぶ必要がなくなり、多頭数の牛を管理するのに向いています。糞尿の掃除は、通路の糞尿を専用の機械やトラクターなどで集めます。放し飼い牛舎のタイプとしては、牛の寝床(ストール)を一頭ごとに区切ったフリーストール牛舎と、寝床を区切らず一面にオガクズやワラを敷き詰めたフリーバーンというタイプがあります。つなぎ飼い牛舎は搾乳牛が50頭以下の小規模経営に多く、放し飼い牛舎は50頭以上の大規模経営に多く見られます。現在日本では、つなぎ飼い牛舎が90%、放し飼い牛舎が10%程度(北海道ではそれぞれ80%と20%)ですが、最近は酪農の規模拡大とともに放し飼い牛舎の数が増えてきました。

肉牛の牛舎

肉牛の牛舎は、酪農に比べ牛の飼養頭数が多いため、ほとんどが放し飼い牛舎です。また、肉牛は乳を出さないので飲水量が少なく、糞の水分も乳牛に比べ少ないので糞尿処理が比較的容易です。そのため、フリーストールではなく群分けしたフリーバーンで飼うのが一般的です。

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