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豚はイノシシが家畜化され、改良されてきた動物です
その外見からお分かりの通り、豚はイノシシが家畜化され、改良されてきた動物です。祖先であるイノシシは、ヨーロッパイノシシ系、アジアイノシシ系、そしてその中間系のインドイノシシ系に分けられます。それぞれに、たくさんの亜種がありますが、その亜種の中には、家畜化した豚が再び野生化したものもあると考えられています。イノシシと豚は、ともに2n=38(18対の常染色体と1対の性染色体)の染色体を持っていて、両者の間には繁殖能力がある雑種が生まれます。豚は、ヨーロッパからアジアの広い範囲にかけて、およそ7,000年をかけて家畜化されたものと考えられています。
現在、豚の品種は多く見積もって、400から500種類あると言われています。このうち産業目的として世界的に普及している豚は約30種程度です。品種改良は、いくつかの異なる方向性があります。脂肪蓄積を重視したラードタイプ、加工品の原料となるため赤肉を重視したベーコンタイプ、そして、その中間であるポークタイプというように、それぞれの地域や時代ごとに必要な用途にあわせて改良されてきたのです。ラードタイプの豚は、ラードに高い価値が与えられていた時代に普及し、植物油が普及している現代では、同じ品種がより赤肉の多いタイプに変化しています。では、現在の日本において比較的メジャーな品種を紹介します。
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大ヨークシャー |
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イギリス原産で大型の白色種です。ベーコンタイプの豚で、比較的早熟で繁殖能力が高く、強健性も優れていることから、世界的に最も普及している品種で、日 本でも種豚として一般的に飼育されています。日本では1950年代まで、中ヨークシャーという品種が多くの農家で飼育されていましたが、現在はほとんどみ られなくなりました。 |
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ランドレース |
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デンマークで改良された大型の白色種です。デンマークの在来種に大ヨークシャーを交配されて作られた品種です。脂肪が薄く、適度な赤肉をつける典型的な ベーコンタイプの豚です。早熟で繁殖能力も高いことから、日本では大ヨークシャーとともに多く飼育され、両種の交配によって、能力の高い雌種豚が生産され ています。 |
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デュロック |
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19世紀の初めアメリカにおいて、ヨーロッパ原産の赤色系の豚と元々ニュージャージー州で改良されていた赤色系の豚から作出された品種です。毛色は黒褐色 から明るい黄色まであり多様です。強健性が高く、適度に脂肪を含む肉質も好まれ、枝肉歩留まりも良いことから、日本でも種雄豚として最も多く飼育されてい ます |
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