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畜産Q&A

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質問

豚はどんなエサをたべていますか?(豚 配合飼料)

豚は雑食の動物だったと思うのですが、養豚場で飼育されている豚は、どんなものを食べているのでしょうか。養豚場で飼われている豚も肉や魚を食べているのでしょうか。

   
   
答え

豚は雑食性の動物です

豚は雑食性の動物です。これは、森林に住んでいたイノシシの食性に由来したものです。イノシシは、草木の葉や種や花、根や塊茎などの他、昆虫やカエルなどの両生類、げっ歯類や鶏の卵やヒナのような動物性のものまで何でも食べてしまいます。
現在の日本の多くの農場で、配合飼料が利用されています。配合飼料はトウモロコシやマイロ、大麦などの穀類や大豆油粕やナタネ油粕(大豆やナタネから食用油を絞ったあとのもの)を混合して作られています。発育や繁殖のために必要なたんぱく質やエネルギーが満たされるように含まれています。また、ビタミンやカルシウム、リンなどのミネラルも添加されていて、配合飼料だけで生産ができるようになっています。配合飼料は、豚がその消化管のなかで利用できるように、粉砕された原料が混合されています。また、粒状に固められた「ペレット」やそれを粒度が均一に粉砕した「クランブル」といった形状の飼料が、飼料の利用性の向上などの目的に応じて、使用されています。
配合飼料には魚粉などの動物性の原料も使われることがあります。また、エネルギーの供給のために油脂類が使われることもあります。母乳から固形飼料に変わる若い豚に給与する配合飼料には脱脂粉乳などの乳製品や嗜好性を高める目的で砂糖などの甘味料が使われています。また、比較的エネルギーが少ない繁殖豚用の配合飼料では、アルファルファミールのような粗飼料も使われています。
肥育される豚は、約6ヶ月飼育されて約110kgの体重で出荷されますが、その間に食べる飼料は約300kgです。一方、母豚は、妊娠期に1日2kg程度、授乳期に1日5kg程度の飼料を食べます。
豚は、家庭や飲食店から出される食物残さやオカラなどの食品工場から出てくる副産物も上手に利用することができます。これらのものに、配合飼料や他の原料を加えて、煮たり発酵させたりして作った飼料を与える農場もあります。最近では、食品残さを中心に、必要な栄養素や水分までを環境条件や発育時期に合わせて計算して作る「リキッドフィーディング」といった給与形態も出てきていて、環境や食品リサイクルの面からも注目されます。
海外では、ドングリを食べて育つ、スペインのイベリコ豚が有名です。このイベリコ豚は、樫の木の森に放牧されます。肥育期間中、1日に8kgのドングリを食べるそうです。1頭の豚に樹齢40年ほどの樫の木が25から30本(面積にして1から2.5ヘクタール)必要だということです。

回答者/日本農産工業 田中秀一

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