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畜産Q&A

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質問

家畜の糞尿はどうしているのですか?(環境 糞尿処理)

家畜の糞尿はきちんと始末しないと、法律で罰せられると聞きました。糞尿はどのように処理しているのですか?

   
   
答え

家畜の糞尿は肥料やエネルギ−になります

家畜はたくさんのうんちやおしっこをしています。
家畜は毎日たくさんのえさを食べ、大量の水を飲むことによって私たちにおいしいお肉や牛乳を提供してくれます。たとえば、乳牛の場合、毎日おおよそ80kgのえさを食べ、150リットルくらいの水を飲みます。そして毎日20〜30リットルの牛乳を生産します。同時に牛は毎日40〜50kgのうんちと20〜30リットルのおしっこをします。
現在、十勝では酪農家一戸あたり平均100頭の牛を飼育していますので、毎日一戸の酪農家で牛達は2〜3トンの乳を搾られながら、6〜8トンものうんちやおしっこをしています。1年間だと2000〜3000トンもの量になります。家畜の糞尿には窒素やリンやカリがたくさん含まれています。これらの量を化学肥料に置き換えてみると100万円くらいの価値になります。これらは植物にとっては大事な栄養素ですが、川の水や地下水に流れ込むと環境汚染の原因になることから、家畜の糞尿をきちんと始末して、畑で牛や私たちが食べる作物の肥料として有効に使うための法律が1999年に施行されました。
家畜の糞尿は肥料やエネルギ−になります。
家畜の糞尿の処理の仕方は大きく分けてふたつの方法があります。ひとつは堆肥化と呼ばれる方法で、空気を好む微生物の力を借りて発酵させる方法です。この方法は大変有効で、発酵の過程で発熱がおきて糞尿に含まれる有害な菌や雑草の種が死滅して悪臭や汚物感もなくなり、これらを畑に撒いてやると土が元気になって作物がよく育ちます。
もうひとつの方法はメタン発酵と呼ばれる方法で空気を嫌う微生物の働きを借りて発酵させる方法です。この方法は発酵の過程でメタンガスを生成します。メタンガスは都市ガスやプロパンガスと同様、燃料と使用することができます。近年はバイオガスプラントという名前で生成したメタンガスを用いて発電を行う施設が各地で建設されています。
つまり家畜の糞尿は有効な肥料として利用できるばかりでなく、エネルギ−としても利用できる大事な資源だということです。

回答者/帯広畜産大学 柏村文郎

堆肥化の施設
家畜糞尿をエネルギ−に変えるバイオガスプラント

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