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消費者と生産者の現地交流会

(有)石井養豚センター市場農場

■日 時 平成19年10月24日(水)午前9時30分〜午後3時
■場 所 (有)石井養豚センター市場農場
■参加者

消費者(13名)、生産者、徳島県(農林水産部)、JA全農とくしま、徳島新聞記者、(社)中央畜産会、(社)徳島県畜産協会(主催)

(有)石井養豚センター(豚肉生産)におけるこだわり

・母豚(大ヨークシャー×中ヨークシャー×大ヨークシャー)に雄豚(デュロック)を交配した4元豚
・自家設計による飼料(子豚時から、ミネラル、乳酸菌、活性炭等を配合した飼料を給与)
・環境を考慮し、空調コントロールができる、セミウインドレス豚舎で飼育

石井養豚の生産現場は、広い土地と人家からできるだけ離れた場所に、という考えから、とうとう山の頂に作られました。(阿讃山脈の一角、標高400m)
また、傾斜地を利用して、ユニークな階段状の堆肥舎を作りました。
豚肉作りばかりでなく、豚舎等にも色々工夫をしています。

好天に恵まれ、雲ひとつない青空の下、いよいよ交流会の始まりです。
資料が配られ、生産者(近藤さん)から、豚舎や豚の生産等について、分かりやすく説明が行われました。

最初は、母豚舎の見学から始まりました。
「いっぱい子豚がおっぱいに吸い付いてるヮ」
「かわいい!!!」
早速、質問です。
「1回のお産で、何匹の子豚が生まれるのですか?」
「12、3匹です」
「えーッ!、そんなに生むの」

次は、子豚(育成豚)舎です。
大勢の人が覗き込んだため、子豚は、豚舎の中で右往左往。
「豚もこれくらいの大きさまでは、かわいいわネー」
「でも、大きくなったら、食べられちゃうのヨー」

経営の一部として行われている放牧豚、放牧場(7000㎡)に14頭が飼育中です。
「豚も放牧できるのですか?」
「こんな広い放牧場なのに、豚の姿があまり見られないですネ」
「豚舎の中で寝てます。豚は神経質で、薄暗がりにいるのが好きなんですよ」

肥育豚舎。
「窓が高い位置にあるので、脚立に上って見て下さい。気を付けて!!」
「どう、見える?」
「いる、いる。いっぱいいる」
「そこにいるのは、そろそろ出荷する豚です」

出荷プラットホームで、出荷待ちの豚。
「ここで、出荷まで2時間ほど休みます」
「どうして、休むのですか?」
「なるべく、ストレスが掛からないようにしているのです」
「体重はどれくらいですか」
「110Kgを基準にしています」

石井養豚センターの研修施設「とんじゃ」での、意見交換会が行われた。
会は、消費者側から意見・質問が出され、生産者からそれに答えるという、一問一答形式で進められた。
その内容は、最下段にまとめて掲載します。

意見交換会の後は、待ちに待った、バーベキュー・タイム、
既に正午を大幅に過ぎており、おなかもぺこぺこ。
バーベキューの主役は、石井養豚センターが生産の豚肉、それに、おにぎり、パン、飲み物等など。
「ワァー、おいしそう」

「どれを食べようかな」
「これは、豚のどこの部分ですか?」
「それは、スペアーリブです。バラ(胸)のところで、骨がついてますヨ」
「そちらは、肩のところです」
「いろいろあるのね」

「おいしいわネー」
「いっぱい食べなくちゃー」
「パンもおいしいワ」

「豚肉って、こんなにおいしかった?」
「うれしいワー、こんなに食べられて」
「満足、満足(笑)」

「もっと食べようかしら(笑)」
「どうぞ、どうぞ」
「この豚肉は、どこで売っているのですか?」
「石井町のリーベ・フラウで買えます」
「他の所では売ってないのですか」
「残念ながら……」

たくさん勉強した現場視察、活発だった意見交換会、お腹一杯になったバーベキュー、楽しかった時間は、あっという間に終わり、最後にみんなで記念撮影です。

最後に締めくくりとして、畜産協会の高橋専務理事から閉会の挨拶が述べられました。
「……、生産者は消費者に安全安心な食品をお届けしようと、大変な努力をしております。その思いをご理解いただける良い機会だったと思います……」
消費者、生産者の双方の思いを理解する交流会は、このようにして終わりました。

意見交換会における主なQ&A

Q1

豚舎をこのような場所に選んだ理由は何ですか?

A1

第一の理由は、疾病の問題です。人との接触が多いと、どうしても病気が入り込んできます。第二の理由は、広い土地が必要だったからです。第三の理由は、住民の嫌がることはやらない方針です。なるべく人家から離れる必要がありました。

Q2

生協と直接取引を行っていますが、ミートホープ問題のように、生協を信用してよいのか?

A2

生協の人たちと直接対話することで、どのような豚肉が消費者に受入れられるのか、いろいろ勉強させられました。要は、安全安心をどうやって選べばよいか、ということだと思います。法律を超えて、信義でのお付き合いが大切だと思います。

Q3

子供たちに生産現場を見せたいのですが、可能でしょうか?

A3

オープンにしているので、連絡をいただければお見せできますヨ。このようにして生産しているのですよ、ということを直接見ていただくことで、安心感を与えることができると思います。生協の方々とは、家族ぐるみのお付き合いをさせていただいております。(畜産協会)そのような要望があれば、いつでも畜産協会が仲介して差し上げられます。

Q4

養豚をやっていて一番苦労をしたことは何ですか?

A4

ワクチンや抗生物質をなるべく使わないようにするため、病気を消してゆくことです。多頭飼育するとどうしても病気が発生しやすい。それに抜歯(牙)、管理のために耳に刻みを入れる、去勢をする等、体を傷つけるので雑菌が入り込みやすい。豚舎の衛生管理に十分配慮しなければならない。 ここでは、体重15Kgまでにワクチン投与は終わらせている。それ以外のことはやっていません。 抗生物質等を使用しているかどうかは、消費者には分からない。どのような豚肉を選ぶかということだと思います。

Q5

エサのこともあり、豚肉の自給率は11%というお話でしたが、なるべく国産を買うようにしていますが、生産者も自給率を上げる努力をしていただきたいと思います。

A5

エサの問題は、遺伝子組み換えのトウモロコシや大豆などの混入の問題やポストハーベスト問題などいろいろ問題があります。自給率を上げる努力は、これから石井養豚が取り組む課題です。その第一弾として、食品残渣乳酸醗酵飼料(リッキドフィード)を開発中です。これによって、自給率を上げられると思います。

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