かすみがうら市は、日本で第2位の面積を誇る湖「霞ヶ浦」と筑波山系の南麓にはさまれ、東京へ約70km、水戸市へ約30km、筑波研究学園都市へ約10kmの距離に位置している。
JR常磐線、常磐自動車道の千代田石岡IC、国道6号、国道354号など、立地条件に恵まれた田園都市です。
主な産業は、レンコンや果樹、内水面漁業など、全国有数シェアを誇る農林水産業が盛んで立地条件に恵まれている。
かすみがうら市の畜産の飼養戸数・頭羽数(19.2.1現在)は次のとおりである。
乳用牛 |
肉用牛 |
豚 |
採卵鶏(種鶏除) |
戸数 |
頭数 |
戸数 |
頭数 |
戸数 |
頭数 |
戸数 |
頭数 |
成鶏♀ |
24 |
1,310 |
21 |
1,410 |
33 |
19,300 |
5 |
40,000 |
37,000 |
(茨城農林水産統計資料より)
■家族経営です
有限会社 ナカジマ農場 代表を務める中嶋喜義氏は、茨城県立石岡第一高等学校を卒業後、自宅(つくば市)で養鶏経営を始めて以来、現在まで42年の経験を持つ経営者である。
平成18年3月より有限会社ナカジマ農場とし、息子の幸司氏(32歳)も平成15年より経営に参加し、家族で経営を行っている。
養鶏場は、自宅(つくば市)とは離れた別の場所(かすみがうら市)にあり、幸司氏は、毎朝商品を販売している約10店舗位を巡回し、販売状況等の確認している。
現在、ナカジマ農場の卵(海藻卵)を販売している店舗は、スーパーや物産所など40〜50店舗あり、配送については、専任に任せている。
■ナカジマ農場で飼っている鶏は
ナカジマ農場で飼養している品種は、消費者へ人気のある、赤玉系の「ボリスブラウン」を主体に、「もみじ」も飼養している。
以前は、約10,000羽を飼養していたが、現在の飼養羽数は、約8,000羽で推移している。
■鶏舎、施設についてのこだわり
鶏舎については、他ではあまり見かけられない高床式の鶏舎が2棟あり、鶏は2階で日の光をたっぷり浴び、放し飼いで育てられている。
鶏舎の1階部分へは糞が自然に落ちる仕組みとなっている。
この仕組みは、食べ残しの餌や、自分たち(鶏)がした糞を食べることがない仕組みであるので、かなり衛生的である。
その他の機械等については、発酵機や脱臭機も備えている。
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中嶋さん家族(左より喜義氏・奥さん・幸司氏) |
2階で放し飼いされているボリスブラウン |
2階で放し飼いされているボリスブラウン |
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鶏舎内の様子(伸び伸びと動き回る鶏達) |
鶏舎内、中央通路 |
床は常に清潔です。 |
■餌へのこだわり
当場では、「良いエサと正しい飼い方をすれば、良い卵を産む」と言う信念のもと、養鶏仲間との間で、月に一度の情報交換を通じてエサの配合を研究し、自家配合飼料を給与している。
こだわりたまご「海藻卵」として、健康な鶏を作るために、こだわりの単味飼料を取り寄せ、昔ながらの作り方で1日分の餌、1種類ずつの分量を量り、独自の割合により配合した餌を鶏に与えている。
飼料の中で1番多い種類は、とうもろこしで、NON-GMO(残留農薬フリー、非遺伝子組み替え)のものを使っている。
1羽の鶏が1日に120gの餌を食べているが、その中の約65パーセントがとうもろこし、次いで、魚粉で、銚子港で水揚げされたイワシを使い、鮮度の良いうちに炊き上げ粉砕した高品質の100%国内産魚粉を使用している。
通常、魚粉には、炊き上げた時に出る油に酸化防止剤入れて戻す作業をするが、当場の魚粉には、酸化防止剤の入っていないものを使用しており、この魚粉の質と量が、卵にうまみとコク、そして力(盛り上がり)を与えている。
そして、一般の卵よりDHA(ドコサヘキサエン酸)・EPA(エイコサペンタエン酸)などを多く含み、大豆粕、米糠は、地元近隣の自動精米所で回収した新鮮なものを使用している。
生米糠は醗酵しやすく劣化も早いため、自家配合ならではの原料である。
牧草、パプリカ、酵母菌そして海藻を使い、卵の特有の臭いを消すために、ミネラルをたくさん含んだ天然の鉱石(フミン質:臭いがとれるもの)で、水処理したミネラルたっぷりのおいしい水を飲ませ、これらが鶏を健康に育てている。
また、卵の硬い殻を作るため広島産のカキガラや、地元日立産の寒水石などを使う他、微量ミネラル、ビタミン類を補充している。
名称にもなっている「海藻」は、北欧産のヒジキが主体で、「なぜ海藻を餌に入れているのか?」と良く聞かれるが、卵の成分についてよく心配されるのがコレステロールであり、悪玉コレステロールを放っておくと、自覚のないまま色々な症状を引き起こす原因と言われている。
海藻に含まれる多糖類の水溶性繊維は、コレステロールを吸着して包み込み、体外に排泄する働きがあるので、海藻類からしか摂取できないヨードは、新陳代謝を高め、動脈硬化を予防するとともに、抵抗力を高める働きを持っていることから、それらを飼料として鶏へ与えている。
鶏への給餌は1日6回(5時、7時、12時、15時、17時、19時)に分けて給与している。
餌はどうしても水分が加わると腐りやすいので、特に気温の上がる夏場には注意して小分けにするなどの工夫をしている。
更には、衛生対策や安全面でもサルモネラ菌等(地域自衛防疫推進事業)の細菌検査を10年以上前から実施しており、常に安心・安全を心がけ、こだわりをもって卵を生産している。
■商品は…
「海藻卵」が正式名称であるが、「海草卵」で商標登録を取得している。
また、同卵を使用した「温泉卵」「味付け卵」「クッキー・ケーキ」も販売している。
■その他
他の養鶏場は、なかなか見せてもらえないのが通常であるが、ナカジマ農場では、生産現場の理解をしてもらうため事前に申し込みがあれば、見学会も実施しており、以前に来場した小学生からのお礼の絵などが飾ってある。
今後は、つくば市に自宅があるので、近隣に直売所を作り販売して行く計画である。
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こだわりをもって自家配合している飼料 |
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商標登録を取得している「海草卵」 |
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ナカジマ農園自慢の(卵)商品です。 |
ナカジマ農園自慢の(卵)商品です。 |
見学した小学生からいただいたお礼の絵 |