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京ケ野さくらポーク

事業社名 有限会社 松葉ピッグファーム
所在地 三重県いなべ市北勢町川原2067-1
連絡先 TEL 0594-72-5794

養老山地から湧き出るミネラルたっぷりの水で育てます。

 県の最北端に位置するいなべ市は、その境を岐阜県、滋賀県に接している。
農場がある北勢町川原地区は、同市の中でもさらに最北端の静かな山里である。養老山地に囲まれた自然豊かな土地であり、山を隔てた岐阜県側には、「日本の滝百選」や「名水百選」に選ばれたり、水がお酒に変わったという親孝行伝説で有名な名瀑「養老の滝」がある。
松葉ピッグファームでは、この養老山地を水源にしたミネラルたっぷりの水を豚に与えている。
いなべ市中心地から農場に向かうには、国道306号線を北上し、阿下喜の市街地を通り抜けると、道は杉林の中の工業団地に入る。緑の中の緩やかなカーブに合わせてハンドルを切っていると、目の前がパッと開け、珍しい豚舎が突然現れる。三階建ての豚舎である。
狭い土地を有効に使う必要もあり、こんな形の豚舎ができあがった。昭和30年頃に、父が肥育専門の養豚を始めたが、現在の代表松葉幸道さんが昭和48年に就農した。その後、順次豚舎の整備を進めていった。母豚規模で100頭、さらに180頭規模に拡大していった。その過程で、三階建て豚舎が建てられたのだ。
堆肥の処理も昭和62年には、密閉式のコンポスト(堆肥化施設)を整備し、環境保全についても、万全の対策を取ってきた。処理途中で発生する臭気についても、水の中をくぐらせて軽減するなど周辺に配慮している。できあがった堆肥は、近在の農家が水田や畑で使うのに無償で譲渡している。
農場がある集落は、水源地に近い地域である。下流から苦情が出るなどということは、決して許されない。尿は曝気槽で浄化処理し、放流基準を十分にクリアしたものを放流している。豊かな自然環境に見守られながら、また、この自然をいつまでも守り続けられるように、環境に配慮し、共存しながらの養豚経営である。
農場は、地域住民の目に留まる道路に面していることから、四季折々の花を咲かせるようにして、景観保全にも心掛けている。
こんな豊かな環境の中で生産される豚が「京ケ野さくらポーク」である。
品種は、雌のLW種(ランドレース種、大ヨークシャー種)に、D種(デュロック種)を掛け合わせたLWDである。種豚は、民間の種豚会社から斉一性のある優秀な豚を導入している。
同じ種豚を導入し、同じ飼料を共同購入する養豚仲間が生産した豚肉が「さくらポーク」であり、地域の精肉業者と契約し、スーパーで販売している。
給与する飼料は、加熱処理した飼料に乳酸菌やオリゴ糖を添加し、健康な豚を育てている。加熱処理することにより、豚にとっては、消化吸収しやすく、消化器官への負担も少なくなる。結果として、嗜好性も高く豚の発育も順調で、飼料効率の改善が行われ、コスト低減にもつながっている。
「京ケ野さくらポーク」は、松葉ピッグファームが直接販売を行う豚肉である。お客様から直接注文を受け、個別に配達を行っている。直販については、奥様の里美さんが、その役割を担っている。ブロック単位での販売であることから、お客様からの注文に偏りが生じることが悩みと言えば悩みである。「ロースは引き合いが多いが、モモが敬遠されがち・・・」なのである。
料理のレパートリーを広めて、モモも使ってもらえるようにしたいという願いも込めて、養豚仲間の奥様たちと定期的に豚肉料理の勉強を兼ねて食事会を開いているのもこのためである。「これは、お勧め!」のレシピは、肉を配達する際に、プリントアウトしたものを配布したり、ホームページで紹介したりしている。
豊かな自然の中で育てられ、おいしい豚肉を提供する松葉ピッグファームの取り組みは、名古屋を起点とするテレビ局からも取材を受け放映された。豚肉の直販については、もっと先進的に大規模に取り組んでいる事例も増えてきているが、今後も「美味しくて安全・安心の豚肉を、地元を中心に、顔の見える販売」を続けていきたいと考えている。

生産現場の風景等写真

■農場全景
■3階建て豚舎
■種豚舎内部のようす
農場全景 3階建て豚舎 種豚舎内部のようす

写真左奥から離乳舎、分娩舎、種豚舎、3階建豚舎。手前左(離乳舎右下)から肉豚舎(2棟)、離乳舎。道路を挟んだ建物は堆肥処理関連の建物。


敷地の傾斜を考え併せて、建てた3階建て豚舎。1階には肉豚、2階、3階には種豚が飼われている。


母豚は発情の早期発見など個体管理がしやすいように、お尻を向かい合わせた状態で飼育している。


■飼料給与の管理
■分娩舎
■離乳後の子豚
飼料給与の管理 分娩舎 離乳後の子豚

1頭ずつに適切な量の飼料を給与できるように、自動給餌機を設置して、個体の管理をしている。


子豚は生まれた直後から、母豚の乳を飲む。生まれた時の体重は約1.5kg程度。温度、湿度を保ちながら、新鮮な空気が常に供給できるような豚舎施設である。


離乳は生後3週齢頃に行い、その後は配合飼料を食べるようになる。離乳時の体重は5kg程度。


■子豚舎のようす
■肉豚の飼育
■豚糞を堆肥化するコンポスト
子豚舎のようす 肉豚の飼育 豚糞を堆肥化するコンポスト

ドンドン食べて、スクスク大きくなる時期である。同じ頃に生まれた子豚を同じ群として飼育するようになる。


120日齢で70kg程度になる。その後、出荷までは良質の脂肪になるように飼料の内容も変わる。200日齢で120kg程度になった肉豚を出荷する。


豚舎からは毎日、ピットという機械でふん尿を取り出す。ふんは、コンポストへ投入後、高温で攪拌されながら堆肥になる。


■尿の処理
■景観にも配慮
■レシピの紹介
尿の処理 景観にも配慮 レシピの紹介

尿は浄化槽に集められ、空気を入れながら曝気処理する。いくつかに分けられた槽で順次浄化が進んでいく。


道行く人からも四季折々に咲く花が目に入る。


ちょっとした工夫でいつもの料理よりもっと美味しく食べてほしいという願いも込めて、色々なレシピを提案している。


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