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畜産Q&A

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質問

豚は一度にどれくらいの子豚を産むのですか?(豚 自然交配・人工交配)

豚は一度の出産で何頭ぐらい産むのですか。また養豚場では交配、出産をどのようにしているのですか?

   
   
答え

一度に10頭程度の子を産みます

豚の妊娠期間は114から116日です。28から35日間(4〜5週間)で離乳し、発情の回帰が5から7日だとすると、1年に2.3回の分娩が可能ということになります。豚は、一度に10頭程度の子を産みますが、年齢や能力によって産子数は異なります。普通、1年に20から30頭の子を産むことになります。中国原産の梅山豚(メイシャン豚)は多くの子を産むことで有名で、1回の平均産子数は17頭にもなります。
母豚の乳頭は7対から9対あります。前側の乳頭の方が泌乳量は多くなります。子豚がどの乳頭につくかは、生まれた直後に決まり、その子豚の運命も決めることになります。強い子豚はより、母乳のでる乳頭にありつき、早く育つ傾向があります。
ちなみに、子豚は自分の体を守る免疫力を母親の初乳(分娩後3日までに分泌される成分が濃厚な乳のこと)から受け取ります。初乳のなかには、通常のたんぱく質や脂肪のほか、免疫グロブリンと呼ばれる、母親が病気に対抗するために持っていたたんぱく質が多く含まれています。一方で、初乳を飲むことで、血液量が急激に増えて、相対的に鉄分が不足して貧血になったりします。不思議ですね。
通常の農場では、自然交配によって繁殖が行われています。雌の発情周期は約21日です。発情は約1週間程度持続しますが、雄を許容するのは発情の中期で平均2.4日程度持続します。発情中期に入って30時間後に排卵が起こり、この卵の受精能力は平均して10時間と言われています。このタイミングを逃さずに上手く交配することが、生産成績の上では最も重要です。
大きな農場では、人工授精(AI)も取り入れられています。受胎率も自然交配に匹敵するぐらいに技術が進んできました。人工授精のメリットは、均一な肉豚生産がし易いこと、農場で飼育する雄豚を少なくすることができること、交配作業が節約されることです。

回答者/日本農産工業 田中秀一

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