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e-びーふ(北海道)

商品名 e-びーふ
農場名 環境リサイクル肉牛協議会
榛澤牧場
岩間肉牛牧場
池田牧場

e-びーふ (イービーフ)認証制度

 自然生態系(eco-system)の物質循環と経済性(economy)を意識した安全・安心な国産牛肉の生産を目指す。 圃場副産物や農産加工副産物の飼料利用を進め、わが国の飼料自給率向上を図る。また、発生する堆肥の圃場還元により地域内資源循環(環境リサイクル)を完成させる。これらの要件を満たす生産基準を設定し、基準をクリアして生産された肉牛を「e-びーふ」として認定・推奨する。

e-びーふの認証基準

(1)飼料自給率を30%以上(乾物ベース)とする。
 肥育期間中の給与飼料の30%以上を農場内自給、国内産原料により生産された飼料又は、国内未利用資源の有効活用に依っている肥育飼養であること。粗飼料の自給率(自家生産もしくは国内生産)は50%以上とする。
(2)ホルモン non抗生物質(常時飼料添加物として使用は禁止。治療用は除く) 
(3)家畜福祉の精神に則った飼養管理の下で、健康な牛生産を行う事。
(4)糞尿処理は、適正圃場還元を原則としリサイクル農業を完成させる。

認証の制度

 認証については「e-びーふ」認定委員会を協議会内に設置し、大学、研究機関出身の会員より認定委員を選任し、申請内容に基づき「e-びーふ」の認定作業を行う。認定は、上記e-びーふの認証基準 4項目の条件を全て満たしているかどうかの点検を行い、リサイクル飼料、農場内自給、地域内循環等について書類の審査と現地確認の結果を判断材料とする。認定農家に対し協議会認定の証明書・看板等を発行する。
 認証は1年更新を原則とし、継続申請は経過を見て簡略化する。
 追認業務を行い内容が劣化した場合は認定を取消する。

環境リサイクル肉牛協議会の概要

(1)協議会の趣旨
 環境リサイクル肉牛協議会は、農産加工副産物を利用した資源循環型食肉生産の啓蒙・普及を図る目的で2000年に設立しました。輸入穀物飼料への依存を軽減して飼料自給率 30%以上を達成し、堆肥を畑地還元するという牛肉生産方式でできた肉牛を環境に優しい肉牛生産の実践として認証を与えるe-ビーフ認証事業を展開。協議会の構成員は牛肉生産者、食肉流通業界、消費者団体、研究機関から参集しています。
 牛肉生産の技術は得られる飼料原料と牛の産肉能力、需給バランスおよび食肉への嗜好によって絶えず変革を求められます。資源循環型牛肉生産の重要性を生産者のみならず流通業界、消費者にも正しく理解して貰うことがこの協議会の大きな役割と考えています。
 2008年7月に当協議会は特定非営利活動法人として認証され、それまでの資源循環型肉牛生産の展開・普及活動をより一層促進するための実証試験やモデル事業に取り組みます。その成果を生産者、流通関係者、消費者に公開して資源循環型牛肉生産の浸透を図り、わが国の食料自給率向上と環境保全・持続型農業の発展に寄与することを目指しています。
(2)今後の事業展開
 試験業務:
 (1) 屑長芋サイレージ飼料の肉用牛における消化性の検討
 (2) デントコーンラップサイレージの肥育効果の現場検証試験
 情報調査活動:牛肉生産に関わる学会・研究会等よりの情報収集活動
 普及活動:
 (1) 資源循環型牛肉生産シンポジウムの企画・開催
 (2) ホームページを通じての情報調査活動報告
 (3) 機関誌アグリサイクルの発行

運営者名:環境リサイクル肉牛協議会
所在地:〒080-2463
    北海道帯広市西23条北2丁目17-6
    (株)マルハニチロ畜産内(事務局)
連絡先:TEL 0155-37-1129
              FAX 0155-37-0029
URL:http://www.recycle-gyu.com
e-mail:kanrikyo@grape.plala.or.jp

e-びーふ認証農家の紹介:榛澤牧場

認証農家1号:榛澤牧場
場長:榛澤保彦
所在地:釧路市美濃15-156
 

a) 牧場の特徴・こだわりは何か?:

 榛澤牧場のこだわりはヒトの食べ物と競合しない副産物利用の飼料による肉牛生産。配合飼料に依存せず、釧路の土地条件を活かした放牧飼養とサイレージ化した副産物の通年給与により飼料自給率を70-80%まで高めた牛肉生産を実践しています。

b) こだわりに至る経緯:

 北見の電気店経営から釧路での牧場経営へ転身。それまでに見てきた多量の農薬と化学肥料を使った水田転作農業の実態に疑問を抱き、農薬・化学肥料を使わず、未利用資源を活用した低コスト牛肉生産を目指して子牛育成と肉牛肥育を開始しました。

c) 牛の品種と飼養頭数:

 アンガス種、ホルスタイン種、黒毛和種     アンガス種は放牧や副産物飼料による肥育に適した品種であり、ホルスタイン種経産牛も副産物飼料による牛肉生産に適しています。 肥育牛 60頭 繁殖牛 100頭、子牛・育成牛 160頭  総頭数 300頭。

d) 飼料原料・材料構成:

 ジャガイモ食品加工副産物、長芋屑サイレージ、豆腐粕、酒粕、ビール粕、乾草・放牧草、

e) 農地面積:

 放牧地 74ha, 採草地 47ha,

f) 労働力:

 経営主夫婦、従業員 1 名

g) 生産された肉はどこで手に入るか?:

 放牧と副産物利用飼料で肥育したアンガス牛の肉は余分な脂肪が少なく、肉本来の旨味があると自負しています。レストラン調理師にも好評で、釧路全日空ホテル・釧路プリンスホテル・東京 アスタナガーデン、釧路 三つ星レストランの各レストラン、パルシステム産直牛肉「ふーどの牛肉」(マルハ経由)として販売。

h) 場長の話、写真、コメント

 ヒトが食べられない物を牛に与えて肉にするのが肉牛飼養の原点という考えを実践して今日までやってきました。環境のことを考えて化石燃料を使わずに未利用資源を飼料化するサイレージ調製による飼料利用、そして堆肥の放牧地への還元で環境に優しく、輸入穀物に依存しない安全・安心の牛肉生産を実証していることに誇りを持っています。

牧場主、榛澤夫妻 アンガス種・F1牛の夏季放牧飼養 フィードロットにおける屑長いもサイレージ給与
牧場主、榛澤夫妻

e-びーふ認証農家の紹介:岩間肉牛牧場

認証農家2号:岩間肉牛牧場
場長:岩間裕信
所在地:芽室町報徳
 

a) 牧場の特徴・こだわりは何か?:

 芽室町は北海道でも有数の畑作地帯であり、岩間牧場は循環型農業を目指して畑作と畜産の複合経営を行っています。小麦、ビート、イモなどの畑地40haに130頭の牛の堆肥を還元し地力を維持。牛はアンガス種と黒毛和種の交雑種で飼料としてでん粉粕やスイートコーン粕のサイレージ、小麦ワラ、自家製牧草などを給与し、繁殖牛・育成牛は夏季に放牧を行い、配合飼料の節減を図り、飼料の乾物自給率37%を達成しています。

b) こだわりに至る経緯:

 親子3代にわたる畑作農家に牛が導入されたのは昭和42年。ホルスタイン種乳牛導入後直ぐに粗飼料利用性の高いアンガス牛に切り換えて今日に至っています。畑作のための家畜導入から未利用資源を活用した資源循環型牛肉生産を目標にして、配合飼料の利用を節約しつつ2006年アンガス牛枝肉共励会で優秀賞受賞しています。

c) 牛の品種と飼養頭数:

 アンガス種F1、アンガス種♀、黒毛和種♂
 肥育牛 80頭 繁殖牛 50頭、 総頭数 130頭。年間肥育出荷頭数40頭

d) 飼料原料・材料構成:

 でん粉粕サイレージ、スィートコーンサイレージ、デントコーンサイレージ、ビートパルプ、乾草・麦桿、肥育用配合飼料

e) 農地面積:

 畑地 40ha, 採草地 30ha,

f) 労働力:

 経営主夫婦と子息夫婦の 家族労働4 名

g) 生産された肉はどこで手に入るか?:

 出荷はJA芽室町経由でマルハ取扱。
 JA芽室町ファーマーズマーケットなどへの出店等は今後の課題

h) 写真、コメント

 親子3代にわたって地元の副産物利用による家畜飼養と堆肥の畑地還元による地域内資源循環の農業を実践。次世代にこの営農を引き継いでいる自信が伺われる農家です。  畑畜複合は今、はやりの耕畜連繋の原点であり、堆肥還元による安定した畑作生産を背景に飼料乾物自給率の高さも決して無理をしないレベルでアンガス牛枝肉として優秀な枝肉成績を挙げています。この農場の特徴は、畑作と肉牛生産のバランスの良さにあり、このバランス感覚は資源循環型農業を持続する上で大切なことなのでしょう。
牧場主 岩間 裕信 氏 子牛育成パドック F1肥育牛
   
スィートコーン残渣サイレージ    

e-びーふ認証農家の紹介:池田牧場

認証農家3号:池田牧場
場長:池田政隆
所在地:滝上町札久留原野 南 1線37

a) 牧場の特徴・こだわりは何か?:

 池田牧場は飼料にこだわりを持って道内産飼料のみによる肥育に取り組んでいます。牛はアンガス種で、飼料としては自家製牧草サイレージを中心にでん粉粕やデントコーンサイレージなどを給与し、放牧も取り入れて道産の飼料自給率100%の肥育を行っています。この牛の肉質の特徴である赤身の美味さには定評があり、アンガス牛枝肉共励会では2006,2007年に赤身賞を受賞しています。 この飼い方を基本として産直にも取り組み、消費者に赤肉の美味さを知って貰いたいと努力をしています。更には、この肉の特長を生かしたローストビーフやビーフジャーキーなどの加工品、「サクルーナチュラルビーフ」というネーミングで精肉の直販も手掛けています。

b) こだわりに至る経緯:

 新規就農から一貫して、家畜は本来ヒトの食料と競合しない飼料で生産するものという信念に基づき、副産物の利用や牧草を最大限活用し、また、そのような飼い方に適した畜種を選んで、穀物飼料の給与を抑えた肉牛生産を目指してきました。その結果として肥育する牛は英国原産のアバディーンアンガス種を選びました。ヘレフォード種の肥育や、肉質向上を図ってアンガス牛と黒毛和種の交雑(F1)牛を手掛けたこともありましたが現在は、赤身肉の特長を活かす肥育としてアンガス牛のみに取り組んでいます。飼料もF1の肉質向上を狙う上から、穀物飼料をポストハーベストフリー、非遺伝子組み換えの材料で調製して使って消費者ニーズに合わせた肥育をしたこともありましたが、現在は、原点に戻ってアンガス牛を100%道産飼料で肥育する体制に切り替えています。

c) 牛の品種と飼養頭数:

 アンガス種、アンガス交雑種
 肥育牛 100頭 繁殖牛 40頭、 種雄牛 2頭、 総頭数 150頭。年間肥育出荷頭数50頭

d) 飼料原料・材料構成:

 牧草(乾草・サイレージ) デントコーンサイレージ、でん粉粕 (規格外小麦)32 45

e) 農地面積:

 放牧地 6ha, 採草地 47ha, 合計 53ha

f) 労働力:

 経営主 1 名

g) 生産された肉はどこで手に入るか?:

 出荷はJAオホーツクはまなす経由、パルシステム産直; ふーどの牛肉。
 「ナチュラルビーフ サクルーアンガス」精肉の直接販売の問い合わせは、 直接、池田牧場へ、Fax.
 加工品についての問い合わせは、ミートパビリオン 吉川産業;

h) 写真、コメント

 100%道産飼料による肉牛生産、それに適した品種としてのアンガス牛、堆肥の牧草地還元。まさに、「e-びーふ」の典型的な牧場です。派手な農家経営と云う訳にはいかないが、このようなこだわりの牛肉生産が多様性の一つとしてあり続けて欲しいものです。
牧場主 池田 政隆 氏と子供さんたち 放牧地 親子放牧
   
育成牛舎  肥育牛舎  

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